前回のブログにおいてブラックスーツのVゾーンについて少しお話をさせて頂きましたので、本日はもう少し踏み込んだスタイリング、
特に“カラー”に特化したお話をさせて頂こうかと思いますので、ご興味ございましたらご一読ください。
まず初めに、カジュアルの世界とは異なりスーツの世界は制約やルールがとても多いということは
以前のブログでも触れていたかと思いますが、こと“色使い”に関しても例外なくルールがございます。
それが「3色ルール」です。
簡単に言うと
スーツのスタイリングに関しては色使いを3色以内に抑えるとチグハグ感が軽減され、統一感ある印象になりますよ
という事。
言葉で表現しても分かりにくいので、画像を元に解説させて頂きます。
まずはこちらのスタイリング。
ネイビー(ブルー)を一色のみ使用した通称“ワントーンコーディネート”。
ネクタイのピンドットとポケットチーフに白を使っておりますが、「黒・白・灰」は無彩色に分類される為
ここでは色数にカウントしておりません。
非常にベーシックなスタイリングですが、どこか洗練された印象を受けるのは
「ネクタイのディンプル」、「チーフのTVフォールド」、「ワントーンコーディネート」と基本に忠実が故ですね。
続いてはこちら。
白と灰は無彩色の為カウントしませんので、ネクタイの紫と紺の2色使いです。
灰のスーツにシャツ・ネクタイのストライプ部分・チーフの白がリンクすることで紫の主張がより中和された馴染みあるスタイリングです。
私的見解ですがスーツのスタイリングでは「何かを目立たせる」のではなく「うまく馴染ませる」ことが重要だと思います。
続いてはこちら。
スーツは明るめのブルーにシャドーチェック、ネクタイとシャツは共にストライプで柄に柄を重ねたスタイリング。
一見、柄と柄でうるさく見えがちですが、ブルー・ブラウンと2色に抑えたコーディネートの為、とても統一感があってお洒落なスタイリングですね。
続いてはこちら。
こちらもスーツ・シャツ・ネクタイ全てにストライプが使用されておりますが、実際はオレンジと紫しか色数は使われておらず統一感がありますね。
良く見るとブートニエールにもオレンジがリンクしたとても手の込んだスタイリングです。
最後は上級編ということで、こちらの画像をご覧ください。
ビビットなグリーンにオンチェックのジャケット。グラフチェックのシャツにレジメンタルストライプ。
一見かなりごちゃついて見えますが、こちらもグリーンをベースとしネイビー(ブルー系)の2色しか使っておりませんので
明るい色味と柄を重ねておりますが、決して華美なだけでなく統一感ある計算されたスタイリングだという事がうかがい知れますね。
(さすがに硬いビジネスの場では避けて頂く方が無難かとは思いますが・・・)
以上のように「3色ルール」を意識すればかなりキワドイ柄合わせであっても統一感あるスタイリングが可能ですので
是非皆さまもスタイリングの際のご参考にして頂けますと幸いです。