こんにちは、スーツ買取.comです。
本日は文献にも積極的に記載されていないような、スーツの“ちょっとした”お話をさせて頂こうかと思います。
まぁ、文献にも記載されないような“ちょっとした”お話ですので知ったとて大した自慢にもならないかとは思いますが
ご興味ございましたらご一読下さい。
さて、ジャケットの袖口の仕様は皆さんご存知ですか?
実際にボタンホールが作られ、ボタンの開閉が出来る仕様を「本切羽(ホンセッパ)」と言い、
実際にはボタンホールが開いてないが開いているように見せる仕様を「開き見せ(アキミセ)」と言います。
また夏向けの軽量なシャツジャケットやオフ向けのカジュアルジャケットの袖口に多い仕様で「筒袖(ツツソデ)」という仕様
も良く見かけますね。
ここまでは実際に専門店や百貨店でスーツ、ジャケットを購入した際に、販売員さんから始末の方法を尋ねられることも多いのでご存知の方も多いかと思います。
本日のお話はもう少し踏み込んだお話。
まずこの画像をご覧下さい。
どちらもジャケットの袖先端の画像ですが、違いは分かりますか?
左の方が生地の盛り上がりが少なく、キレイに収まっております。
横からの画像で見れば一目瞭然ですね。
この左の仕様を「額縁(ガクブチ(仕上げ)」と言います。
この“額縁仕上げ”は袖の裏側の縫製仕様で、袖先の端処理を絵を入れる額の角みたいな仕上げ形状(フレーム)のように
ちょうど45度の角度で折り畳んで処理する方法です。
こうすると、袖裏に余分な生地が残らないので見た目がすっきりしますし、袖ボタンをいくつか外して着た時などにも
きれいに額縁にたたまれているデザインそのものがおしゃれなポイントです。
元々は高価なオーダーメイドに多いディティールでしたが、昨今の技術進化は凄まじく、最近では既製品にもこの“額縁仕上げ”が使用されていたりします。
着用している当人からすれば、そこまで着心地や見た目に大きな変化を与えるディティールではございませんが、一つ断言出来ることは
「額縁仕上げの方がより丁寧な縫製」
であることは間違いありません。
ぜひ皆様のスーツ選びの参考にご活用頂ければ幸いです。