こんにちは、スーツ買取.comです。
本日はお買取りさせて頂きましたスーツの中に、少し珍しいディティールの物がございましたので、この場をお借りして紹介させて頂きます。
ご興味ございましたらご一読ください。
その珍しいディティールとはこちらです。
いたってごく普通に見える肩回り。
しかし良く見ると肩付け部に“雨が降っているかのようなシワ”が寄ってると思いませんか?
このシワ、南イタリアはナポリ発祥のディティールで通称、「雨降り袖(マニカカミーチャ)」と呼ばれます。
元々は肩パットが入っていないことで出来る仕様なのですが、
正統派スーツの代表とされる英国式スーツは肩パットや芯地、その他副資材が多く使用され、「脱いだ後も独立して立つ」と言われる程に構築的な作りなのに対し、温暖な気候のナポリでは重厚な副資材を省き、シャツのように涼しく、楽に着用出来るようにするために生まれたディティールとされております。
クラシックで硬い印象の英国式スーツに対し、このナポリ式スーツは柔らかい雰囲気やスーツをカジュアルに着こなすことができ、同じスーツというカテゴリーでも印象が変わってくるんですね。
以前、当ブログで解説させて頂いた通り、スーツの足元には内羽根のストレートチップが基本ですが、このややカジュアルなナポリ式のスーツをご着用の際は外羽根やローファーなどで崩したスタイリングの方が相性が良いかと思います。
皆さんもスーツを少しカジュアルで着用することをご希望の際は、安易にジャケパン・ジャケスラに頼らず、あえてこの“雨降り袖”に代表されるようなナポリ式のスーツも選択肢に入れて頂くと、より素敵なスーツライフになると思いますよ。
是非、皆さまの素敵なスーツライフにお役立て下さい。